» 新作について 「花緒サンダル」のブログ記事

花緒サンダル/ZETTA2008を発表する展示会が明後日から東京ビッグサイトで開催されます。まさしく花緒サンダルがデビューを飾った2001年1月から数えて8年目のシーズンのスタート。
今年は例年にも増して新作に自信ありデス。着物Begin誌創刊を前後して男着物に凝っていますので、普段着の着物姿にもクールな新型ZETTA(メンズタイプ)①GTR。要望の多かった②子供サイズ。女性モデルでは③台が高いタイプ。

合同展示会って好きなんですよねえ。一生懸命ものづくりをしてそれを発表する。それだけなんですけど、良い悪いがはっきりする潔さがいいんです。幼少の頃のピアノやギターの発表会のような緊張感は、出展もかれこれ10数回目なので慣れちゃってないんですけど、体育祭や文化祭のようなそれに向けて団結してスパークする抑揚感が好きなんです。基本的に相対評価の場なので、自分が考えていることやしようとしていることが晒されて手ごたえというか自信や、叩かれてさらに頭を出そうとする「出る杭」感がたまらないんです。皮膚感覚というか脳幹、体幹が揺れる瞬間が「深い」のです。
だから、ウチの商品をまねしようとこっそりブースにたちすくむ同業者が気に入らないんです。こういう消費財の宿命なのかもしれないんですけど、その精神が気に入らないんです。少なくても市場に出回っているものを購入して研究するのはいいとしよう。まあ展示会場で情報収集しようというのもOKとしよう。我慢できないのでは当社関係者に近づいて技術を盗もうとする連中です。
和装の業界は特に狭くて、自社開発云々より流行っているものを安く作って売り抜けようという空気が蔓延しています。だからユーザーの皆様にはブラックボックスと見えてしまうんです。ずばりそのままではなくて、新しいアイデアを加味したものを作ってオレの脳幹、体幹を揺らしてくれ。
例えば日本式トングサンダルとか。鼻緒withハイテクスニーカー、とかイタリア靴式革底タイプとか。ちなみにこのへんはもう企画が煮詰まってて、あとは仕上げだけやで。遅くても3月16日のミッドタウンでの着物ファッションショーには一部完成するけど。

花緒サンダル/ZETTAは浴衣はもちろんデニムにもスカートにも合わせて履けるニュージャンルのサマーサンダルです。というのキャッチコピーです。それに創業大正15年の老舗履物メーカーが開発して・・・と枕詞を付けると商品説明POPの一丁上がりデス。
開発当初は浴衣に履く下駄の代わりになればいいなあと始まって、夏の普段着にも履けるわよ。となって、伊勢丹婦人靴売り場でトング式のサンダルでデビューして、父の日を契機に男物需要が高まって、伊勢丹メンズ館からお声がかかって「デザイナーズでやろうよ」と商品が一人歩きしだして、今度は着物にも合わせて履けるぜと、なにかと毎年騒がしいのです。
2003年くらいかな「花緒サンダル」という商品名を考えて、去年からはメンズモノを「ZETTA」と名づけています。ZETTAはともかく秋冬の着物用にサンダルと呼ぶのが季節感がなく、新たな名称を考え中です。
カレンブロッソシューズ?略してロッシューはどうやろ。バスケットシューズみたいだぞ。シューズには少し抵抗があるな。あ!ぞうり!で「あぞうり」はどうやろ?「アゾーリ」無理やり「アズーリ」と読むと、サッカーのイタリア代表みたいでかっこいいぞ。新しい草履で「新草履は?」「シンゾー」だ。足裏は第2の心臓とかかってくるしな。平成草履でヘイゾー、健康草履で「ケンゾー」「コーゾー」・・・この流れでは何ぼでも出てくるな。
来年の展示会のカタログを作る頃までには考えてねば。
今年も写真ぐらいの量のサンプルを作らねば。
レディスの新作ヒールタイプ、メンズの新作イタリア靴底風、子供用も今年は準備せねば。

さあ着物を着ようとポンと背中を押されて決意しても、数名の脱落者を生む着物のルールが立ちはだかります。簡単なことです。結婚式にデニムTシャツで列席してはいけません。タキシードを着てコンパに行ってはいけません。
着物のTPOはこんな感じです。着ていく場所の「格」によってルールがあります。
①礼装②準礼装③街着④普段着
具体的には・・・
①結婚式・成人式②結婚式などへの出席・目上の人への訪問・ホテルでの食事③旅行・食事会・観劇・買物④家事・外出
洋服でいうと・・・
①ドレス・タキシード・フォーマルスーツ②おしゃれスーツ③ジャケット・パンツ④デニム・Tシャツ
のところを着物では・・・
①振袖・留袖②訪問着・付け下げ③付け下げ・小紋・紬④ウール・木綿・浴衣
になります。
しかし、その境目は戦国時代。下克上です。たとえば「夏場にネクタイはやめようと」クールビズが盛り上がったり、プレミアムデニムがおしゃれ着になったり(だって高いんだもん)、結婚式の列席者がモーニングではなくおしゃれスーツを着たり(カラーシャツにレジメンタルタイ)・・・
着物の世界でも「普段着」であるはずの大島や結城などは今では街着ではあたりまえ、準礼装にもなって、振袖にもなってます。
つまりファッションなんです。時代や流行に左右されるものなんです。
そこをがちがちの着物先輩たちや呉服屋はその形式美を守り通そうとします。確かにその分野は必要です。美しいです。でもそればっかりではと僕は思います。
これは園遊会を筆頭にそういう場にあこがれてるけど、それを畏れ多いと思う町人の意見です。今、着物道の入り口で楽しみながら、着る機会を増やして、いろいろ教わりたい。その小僧の気構えを入り口で邪険に扱わないでください。
倒産した呉服屋への文句は今日はこれぐらいにして。もう一つ。こうやって着物TPOを整理してみると「仕事着」としても着物があまり見えてこない。一休さんのアニメでは将軍は沓か?新衛門さんは羽織袴の「裃(かみしも)」か?桔梗屋は木綿の着物か?女性用の着物を思い出すとイケズなお姫様は振袖風のもの。町人は木綿の着物だ。
履物はどうだ?将軍以外はみんながみんなわらじだったんじゃないか?
そのわらじに革の底をつけたのが千利休だといわれています。そっから江戸時代になって今のの草履の原型になったといわれています。ということはみんなわらじだったのかな。本当に。さらに、現代でいうスーツ的なものがないぞ。服飾史はマイナーながら謎が多いぞ。スーツだって近代にセービローで作られたものでしょ。セービローで背広。歴史好きとしては調べてみる価値はあるかも。
その草履をスタイリッシュに現代風にアレンジした花緒サンダル・ZETTA。礼装、準礼装以外のシーンにはOKです!の開発者である俺はせ、せっ、千の、利、利・・・千里高校の卒業生であります。

花緒サンダル2006のUAとのコラボレーションが決定しました!
UA・・・「うーあー」と読んで、わが吹田市出身のディーバのことではありません。ユナイテッドアローズです!ファッションに携わっている場末のデザイナーにとっては2つある最高峰の取引先の1社です。UAさんの浴衣売場に並ぶんですよ!河川敷の草野球のピッチャーに、ブロンクスのヤンキースタジアムで投げてみろってもんです。
こそこそっと打ち合わせを重ねて登場するUAバージョンは花緒サンダル改め、三石式花緒付き下駄です。三石式の花緒を花緒サンダルに、さらに下駄にすげるというアイデアは盲点だったな。ツーランスクイズみたいなもので。この三石式花緒の製造は和装の得意先でも結構高価になるので、そう市場には出回ってないです。製法も時間がかかるし、こんだけふんわり作れるメーカーもほとんどないね。色合わせの妙も三石敷き花緒の特徴だし「菱屋の花緒」の代名詞のひとつ。松坂のチャンジアップみたいなものだな。魔球ですよ。
旦那が北海道出身のTバイヤーの許可を得てブログに載せさせてもらいましたけど、どうやら飛行機の機内誌にも載るらしく評判上々や。

カレンブロッソの「軸」花緒サンダルの企画の真っ最中です。
有名バイヤー曰く「鼻緒つきのサンダルでは一人勝ち。この快適さは他のトング式と比べ物にならない」花緒サンダルに期待をかけていただくのは結構なことですよ。けど「来年も同じではダメだで」ということで新作、というよりは新概念のサンダルを要望されます。毎年。思い起こせば2001年に発表以来、2002年は滑りにくいEVA素材を探しに出かけ、2003年は鼻緒を短くしてみたり、2004年には本革タイプに挑戦したりとその過程はなかなかのプレッシャーなのです。窮鼠猫を噛むの、噛む前にいじめられ続けるねずみの心境です。
そして2006年モデル・・・ 「噛みました!」「飛びつきました!」育てたにきびの芯を頃合を計って一気につぶしました!2006年の新作はスワロフスキーです。オーストリアの正真正銘の本物です。製作現場の弟は、責任者なんですけど、何度言ってもスワロフスキーという単語を覚えません。「ヤクルト」と覚えろと指示したところ、何でやとなり「スワローズや」と教えました。で、社内では「古田のめがね」という隠語で落ち着きました。
そのついでにスワロフスキー第2弾、下駄もの、ビーサンもの・・・いっぱいアイデアが出てきた。全部できるかな?

花緒サンダルの主力商品となった「鼻緒が短い」タイプは偶然に考え付いたものです。
(前回のブログで書いたインターナショナルフェアでのエピソード、パリの展示会の話などは後日に)
あるとき。ちょうど花緒サンダルのSサイズとか子供用が出来ないかというリクエストがあり、子供用のぞうりを触りながらさてさてどーしよーかなーといろいろ考えてたときのことです。子供用のぞうりって、堅焼きせんべいぐらいのがんばったら一口でほおばれるくらいの大きさで、鼻緒の長さといえば夏目漱石の口ひげぐらいの長さのもの「子供の足、ちっちぇーなー。鼻緒の長さ半分やん」ところころと笑みがこぼれるような幸せな時間に。「半分?」「長さが半分!」と、あの鼻の部分を谷折りにして目の部分を山折りにして不気味に悲しむ紙幣の夏目漱石を初めて見たときのような衝撃が走りました。急いで大人用の花緒サンダルの台に、子供用の鼻緒を取り付けてみると、それは皆様が初めてウチの花緒サンダルを見たときと同じくらいのかわいらしさでした。興奮冷めやまぬまま、そのサンプルを手にして机を見渡すと、さっきの折れ曲がった紙幣の夏目漱石が今度はエヘヘと笑っていましたとさ。
できあがりのサンプルをベースに、本当に履いて歩けるのかという実験をいろいろ繰り返し、今の長さに決めました。全体を見渡すと何かに似ている。なんだろう胴体がどよーんとひょろ長くて、頭周りが充実している。何かに似ている。!う、う、う、うなぎ犬だ!これはうなぎ犬に似ている。ということで今でこそ「ショートタイプ」というネーミングで社内統一されていますが、当時は「うなぎ」というニックネームで呼ばれていた花緒サンダルの短い鼻緒誕生秘話でした。
「花緒サンダル」という言葉も僕が考えたものなんです。商標とっときゃ良かったなーと5秒ぐらい悔しみましたが(この日本語おかしいな)、それが広がればいいやと思っています。でも、発売して5年目なんですけど、まだ真似されていないです。伊勢丹さんや阪急さんで大々的にやって実績もよく、結構業者さんが見に来ているらしいんですけど、今のところは真似されてないです。

    

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  • 笑える写真 http://twitpic.com/2l25t1
  • 本日から開催のパリプルミエクラスのトレンドブックに掲載していただきました。 http://twitpic.com/2l25na
  • 足袋屋さんで打ち合わせ。ハイソックス足袋をリクエストするが、それ専用の抜き型が必要とのこと。1型あたり10万くらい。22.5cmから27.5cm、5ミリ単位で作ると110万か。冬場に足袋の切れ目の素足は寒いねんけどなあ。
  • 行けまへんねや。10月の寺本展示会とか、呉服屋飛び込み営業とかで。
  • 注染の中尾社長と打ち合わせ。工場持って、企画ができて、小売店もある。苦しいけれど、理想形だと信じている。
  • あー去年まではこの時期パリに行く用意してたのになあ。優秀な現地スタッフがみつかって任せられると思ったけど、行きたくなってきた。世界中から集まるブースの雑貨みるとか、市内をうろうろするとか、バンプの蚤の市で異邦人気分味わうとか。行けばいくほどいいんだよなあ。
  • IFFの新和装ゾーン、出展社10社集められるか!?他にないものを作るのは当たり前。それをいかに売るかの時代。作り手と買い手のマッチングの場として合同展示会は確実な成果があるけど、出展料の採算が不明。しかしPR効果、やったるで感の一歩になる。
  • 和装関係者の皆さん。1月のIFFで「新和装」ゾーンを事務局から確保いただきました!出展の経費はかかりますけど、リスクと夢で作った商品を全国のバイヤーに披露しましょう。お恥ずかしながらタテマエ上オーガナイザーは私です。ご興味のある方はmac@calenblosso.jpまで
  • エイ素材の別注が立て続けにやってきた。あの人が履くのか。経済人や芸能人の情報はなかなかツイートできない。実はややうれしいねんけどな。
  • 盆明け初日。車のバッテリーは上ってるわ。会社の電灯の一部が漏電でブレーカー上るわ。変なテンション上る。午後からカレンブロッソ事業部立ち上げ後初めての本社会議。